「大家さんと僕」 - 山口統平法律事務所☆名古屋の弁護士と愉快な仲間たち

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こんにちは☆
山口統平法律事務所　事務ちかこーんです。

皆さんも、
本屋さんで一度は目にしたことがあるかもしれません。

『大家さんと僕』（新潮社）

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小さなおばあさんと
小さな矢部さんのお話です。

矢部さんは一軒家の２階部分を間借りして
「１人暮らし」をし始めたのですが、
この本には、
１階で暮らす８８歳の大家さんとの
不思議なやりとりが描かれています。

家賃は手渡しと決まっています。
渡しに行く度にお茶に誘われ、
毎月恒例の２人きりの
「お茶会＠大家さん家」が始まります。

最初は戸惑い続けた矢部さんですが、
思いのほか楽しくなります。

ある日の夜。
ドアに知らない風呂敷が結わえられていました。
風呂敷の中には、
大家さんからの手紙が。

「矢部さん、夜露に濡れた洋服をそのまま着ては体に良くありません。この風呂敷に包んでおくと乾くと思います。毎日お暑うございますね。ご無理なさらず。福を沢山いれて風邪をひかれないように。」

服ではなく「福」なんですね。

大家さんは、とってもおちゃめです。
季節ごとにその時々の行事をされます。
ひなまつりには、
ひな人形をかざり、ひなあられも用意し、
矢部さんをお部屋に招きます。
そして、
「じゃあ仕舞います。早く仕舞わないと行き遅れてしまうので」と、
そそくさとひな人形の片付けが始まります。

そんな大家さんを見て、
矢部さんは「幾つになっても女の子なんですね…」と可愛らしく感じます。

またあるとき、
大家さんの家に呼ばれた矢部さんは、
お買い物用のカートの組み立てをお願いされます。

「こういうカートって便利そうですね」と言う矢部さんに、
大家さんは「便利というかこれがないと転んで最悪死んでしまいますから」。
矢部さんは急に、失敗厳禁という緊張感に襲われます。

そのとき急に部屋の電気が消え、
「はぴいばすでい　とぅ　やあべさあん」と言う声。
矢部さんのお誕生日のお祝いをしてくれたのです。
明かりがつくと、
そこには「おはぎ」を持った大家さん。
刺さっている１本のロウソクは、
仏壇用でした。

お２人の世代を超えた「友情」。

この人間味あふれるやわらかな絵と、
ギャグなのか本気なのか分からない大家さんのトンデモ発言と、
「これをほっこりと言うんだな」と思える２人の優しさに満ちたお話に、

私は、時間が経つのも忘れて一気に読んでしまいました。

人は独りではないこと、
ささいなことでも、人と人との繋がりがどんなに大切かということが、
本当によく分かるコミックエッセイです。

気づかぬところで誰かが気にして見ていてくれて、
そっと誰かが認めてくれている。

誰かが見ていてくれているからこそ、
自暴自棄になったり、
少しのことで逃げ出したりしてはいけないと感じる。

隣近所に誰が住んでいるのかも知らないことも普通となった現代においては、
「大家さんと僕」に登場するおばあさんのような方との関わり合いは、
誰にでも受け入れられるものではなく、
この大家さんとこの矢部さんだからこそ成り立ったものかもしれません。

全ては実話。
そして、２人の中では当たり前になっている日常。
ほっこりあたたかな気持ちになり、
大切なものに気づかせてもらえる本です。

矢部さんは、
カラテカという芸人。
先日、この「大家さんと僕」で、
芸人として初の快挙となる「手塚治虫文化賞短編賞」を受賞されました。

機会があれば、
ぜひお手にとってご覧ください╰(*´︶`*)╯

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山口統平法律事務所事務ちかこーん
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